ダラ読みブックレビュー

速読管理人アラキシンによる読書感想文ふうダラ読みのすすめです。

2008年04月

“根本を問いつづけよう” 「反・鈍感力」 浅井愼平・著



鈍感力という本へのアンチテーゼとして書かれた
・・・のだと思います。

本家(?)のほうを読んでいないのでわかりません。
「鈍感力」はありあまるほど持っているので、読む必要ないかな〜、なんて。
(浅井さん、ゴメンナサイ)

どうせやらなきゃいけないときに「なんで私がお茶出すのよぉ」っていう人はみっともない。
内心どう思おうと気持ちよく「お茶が入りました」と出してくれて、
どうせ出すなら「美味しいお茶を出してあげよう」
と思った人のお茶っていうのは、美味しいし、何よりもその人は素敵です。


人が見ているとかいないではなくて、
自分の役割をやるということに気がいくかいかないか、
職業が成功するかしないかの大きな分かれ目でしょう。


ぼくはいまでも自分のギャランティを知りません。
ぼくが事務所に聞かない限り、
事務所でもいくらの仕事だなんて言わないですから。
この仕事はいくらだからどうだと思いたくないからです。


ぼくらはお金をもらってもやっちゃいけない仕事がある。
それから、お金をもらわなくてもやらなきゃいけない仕事もある。


やればできるという言葉があります。
たとえば勉強とか。けれども、やるというのは才能なんです。
本当は、やればできるという言葉はリアルじゃない。
やればできると言っても、実際にはやらない、というより、やれない。
やるっていう行為は相当な意志と、生まれ持ったものといろいろあると思うんです。


美しいと言っても、美しさは伝わらない。
何が美しいのかわからないから、
美しいという言葉だけでは何も伝わらない、そういうことです。
ただ「美しい」じゃなくて、「どう美しいか」と言えないと。
「美しい国」なんて、いちばん虚しい言葉です。何が何なんだと。
美しいという言葉自体には中身はないわけだから。


「仕方がない」はもう止めませんか。
プロフェッショナルベースボールでもホームタウンでは、
ボストン対ニューヨークだったり、シカゴ対ロサンジェルスだったりする。
日本でいうと高校野球のような地域対戦の仕組みになっている。
それなのに日本のプロ野球は、新聞社対お菓子の会社とか、
ハムの会社対電鉄会社とかそういうことになる。
何の縁もないぼくたちが何のために応援しなきゃいけないんだって
鬱憤があるんだけど、そこは目を瞑るわけです。
その目を瞑ることが、あまりにも多すぎて日本人は狂ってしまった。


この本を読んで、浅井氏が"アナログ派"であることを知りました。
同じ写真家のアラーキーこと荒木経惟さんもそうだと聞いたことがあります。

デジタル化の先に待ち受けているのは果たして
思い描いたとおりの理想の社会なのか?

どうもそうではないような気がします。
これからは"敏感力"を発揮して、
歩むべき道を模索していこうと思います。

______________________________________

      【目次】

第1章 なぜを忘れた日本人
     
     「なぜの欠落」
     希有なイチロー
     スポーツを見るということ
     ディテールを見る 他
     
     
第2章 文明は人を幸せにしたか
     
     大衆化の不幸
     最初に触った道具
     魔法の道具
     カメラ 他
     
     
第3章 本物の見分け方
     
     名作の作り方
     評価基準
     死語の評価
     贋作の楽しみ1 他
     
     
第4章 文化を取りに行く
     
     浅井家の音楽
     ちょっと欲張って
     太地喜和子の色気
     ビートルズと青春性 他
     
     
第5章 人生を編集する
     
     映画の影響
     映画から会話を学ぶ
     自分の人生の編集
     自殺 他
     
     
第6章 職業は第二志望がいい
     
     損得の時代
     職業の選び方
     職業はお芝居
     レベルアップ 他
     
     
第7章 スタイルのある生き方
     
     アバンギャルドがクラシック
     写真と俳句と絵画と写真
     短歌と俳句
     一億総カラオケ 他
     
     
第8章 自分に向き合う
     
     自分探し
     自分に会う
     旅の魅力
     イージーな旅 他
     
     
     最終章 歴史的最悪な時代に生まれて
     
     西洋コンプレックス
     現実にアジャストする
     解決策
     税金の理由 他

______________________________________________________

【著者紹介】 浅井愼平 あさい・しんぺい

1937年愛知県生まれ。写真家。
大阪芸術大学大学院教授。
日本広告写真家協会賞受賞。
66年『ビートルズ・東京』でデビュー。
優秀な広告に授与される東京アートディレクターズクラブ最高賞等多数受賞。
写真にとどまらず映画制作、文芸、工芸、音楽プロデュース等幅広く活躍中。
著書に『気分はビートルズ』『巴里の仏像』等多数。

__________________________

余談です

ここ数年、先祖の墓参りに行っていませんでした。
「これはいかん。今年は毎月行くぞ!」
そう誓い、3月までなんとかクリア。
4月、今日が最後のチャンス・・・。
無事行くことができました。
感謝します!



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“心に障害はありませんか” 「ぼくのお姉さん」 丘修三・著 かみやしん・絵

ぼくのお姉さん (偕成社の創作)
「ぼくのお姉さん」 小5のぼくは、作文の宿題で
自分の兄弟を書くように言われたけれど・・・
バカでブスでチビのお姉ちゃんが恥ずかしい。

「歯型」 中学生になったいまでも、
ぼくは足のわるいひとをみると、にげだしたくなる。
それは、あの事件以来身についた、
かなしいくせといったらいいのだろうか。(本文より)

「あざ」 重い知恵おくれの久枝ちゃん(小6)に、
公子ちゃん(小3)というおともだちができた。
ところがその夜、おかあさんは久枝ちゃんの
体のあちこちにあざができているのを見つける・・・

「ワシントンポスト・マーチ」 養護学校の6年生、
美雪ちゃんのお兄さんは今度の日曜日に結婚式を挙げる。
そしてそのつぎの日曜日は同じクラスのたけしくんの
お姉さんの結婚式と、おめでたいことつづきだ。
ところが週明けの月曜日、あんなに楽しみにしていた
結婚式に美雪ちゃんは出られなかった・・・

他「首かざり」「こおろぎ」収録

______________________________

『ぼくのお姉さん』

1987年 第3回 坪田譲治文学賞賞
1987年 第5回 新美南吉児童文学賞受賞
1987年 第20回 日本児童文学者協会 新人賞受賞

【著者】 丘修三(おか・しゅうぞう)

1941年 鹿児島県に生まれる。
養護学校教師として25年勤務。
91年 病気退職後、文筆生活に入る。


作品に、『福の神になった少年 - 仙台四郎の物語』
    『神々の住む深い森の中で』
    『風にふかれて』
    『がんばれ!金子くん』
    『少年の日々』 などがある。

____________________________________


作品のどれもが、障害者にかかわる物語です。
読んでいて、感動と同時に、すっかり忘れてしまっていた
にがい過去の数々がよみがえってきました。

妹がおさないのをいいことに、トランプでズルをしたり、
近所の養護学校の男の子が足を引きずって歩くのを
大げさにマネしてみせてからかったり・・・
数えあげればまだまだあります。

当時、なぜそんなことが平気で
(多少の罪悪感はあったにせよ)できたのか。

数十年たった今は、心がいたいだけです。
このいたみは一生消えないでしょう。
でも、消えないほうがいいんです。
相手の心はもっとふかい傷をおっているはずですから。

人間として生きていきたいと思うので、
このいたみを抱き続けてゆきます。



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“ニーズの把握力が格段にアップ”「読み上手 書き上手」 齋藤孝・著

「読み上手書き上手」 齋藤孝「読み上手書き上手」 齋藤孝

本や映画で、自分の気にそまないところがあると
すぐに投げしてしまうわるいクセがあります。
でも考えてみれば「好き嫌い」と「理解するしない」は
別の話なんですよね。

世界を広げるためにも、今度からは
もうちょっとねばってみようと思います。

早く読めるということと理解の正確さは、連動しています。
つまり早く読めれば読めるほど、
書いてある内容が正確に理解できるようになるということです。

本のポップを書いてみよう

はい。さっそく今日からタイトルに反映させます。

どんなものでも、結局筆者が言いたいことは、
「私は偉いでしょ。私は他の人と目のつけどころが違うでしょ」
ということです。

こういうことを著者本人が言い放つのがすごいです。
かえって好感度アップ。

もっとわかりやすく言えば、
ほとんど全ての論理的に見える評論文は、
筆者の「好き嫌い」で成り立っているといってもいいでしょう。

新聞の社説にも、これを感じます。

メモをつくってから書きはじめよう

ですから、自分はとてもいい仕事をしているのに評価されないとか、
自分はとてもいいものを作ったのに売れないと不満を抱き、
それは上司が悪い、社会が悪い、お客のセンスが悪い
と考える人に未来はありません。
その人に世の中を変えることはできません。

思いっきり心当たりがあります。
自分が変われば世の中が変わる。

あらゆる場面で「身体」に目をつけて見る習慣ができると、
他の人には見えないものが見えるようになります。

きのうレビューを書いた本と内容がリンクしています。
「教わる」のではなく「学び取る」姿勢が大事なんですね。
_______________
10代(学生時代)に読んでおきたい本のリスト

「太陽の塔」 森見登美彦

「それゆけジーヴス」 P. G. ウッドハウス

「素晴らしきラジオ体操」 高橋秀美

「知の再発見」 双書 ※齋藤氏のオススメは『ダリ』と『ブッダの生涯』

「不思議な少年」(マンガ) 山下和美

「悪童日記」 アゴタ・クリストフ

「癒しのチャペル」 辛酸なめ子

「ツチヤの口車」 土屋賢二

「大江戸えころじー事情」 石川英輔

「阿修羅ガール」 舞城王太郎

番外編

「この風にトライ」 上岡伸雄 ※齋藤氏が推薦文を執筆
______________________________

目次 ※ Contents

1日目 「読むこと」と「書くこと」のつながりを見つけよう ― 基礎編
   
   読書感想文ほど書きやすいものはない
   
   「読めた」の基準とは何か?
   
   足腰を鍛えるのはどんな本か
   
   新聞のパラ見をしよう
   
   "ながら読書"で活字にふれる時間を増やす
   
   "活字中毒"のメリット
   
   読む雑誌の種類を増やしていく
   
   面白そうなものにアンテナを立てる
   
   広く読む? 深く読む?
   
   読んだものの吸収度を高める
   
   本のポップを書いてみよう
   
   古本屋に渡せないほど書き込みを
   
   
2日目 「読み書き」をもっと極めるために ― 応用編
   
   引用を使った「書く」練習
   
   小説風に書いてみよう
   
   テキストは想像力を喚起するものを
   
   量を書くには慣れが必要
   
   文章がねじれないためには?
   
   視座を決めて、その観点で見てみよう
   
   「問い」ではなく「発問」を意識しよう
   
   「発問」のコツは"売り"と"違い"を考えること
   
   「キーワード」で身の回りを切ってみる
   
   「読み上手」になるためのキーワードの見つけ方
   
   「ピラミッド方式」ではなく「ペンキ塗り方式」で
   
   「関心の角度」を決めて読む
   
   キーワードマップをつくってみよう
   
   現代文の問題を解いて「読み上手」になる
   
   文章の構造パターンを見抜こう
   
   二項対立を見つける
   
   評論文の書き方のコツとは?
   
   結論を先に書いて理由を示す
   
   メモをつくってから書きはじめよう
   
   
3日目 今日から読み上手、書き上手になろう ― 実践編
   
   「書く力」に必要な「読み込む力」
   
 1 東大の国語入試問題にチャレンジしてみよう
   
  ※金子みすゞ「積もった雪」「大漁」より
   
   課題文で自分の経験をすくいとる
   
   三角形をつくって広がりを持たせる
   
   キーワードをはずさない
   
  ※山際淳司「いま"前座"が面白い」より
   
   課題を肯定または否定する立場で書く
   
   対立しているものが何かを見抜く
   
   ※山田洋次「男はつらいよ」より
   
   図化を習慣化して「読む」と「書く」をつなげる
   
   単純な図式で解釈しない
   
   弁証法的にCの立場をつくってしまう
   
   
 2 エントリーシートを書いてみよう
   
   平凡なエピソードしかない場合はどうするか
   
   上手なエントリーシートを書くためのコツとは?
   
   私がエントリーシートを書くとしたら
   
   
 おわりに 「読む・書く」は「話す・聞く」の応用バージョン

   
   (2008.2.10 初版第1刷発行)

余談です

「10代(学生時代)に読んでおきたい本のリスト」
に挙げられた本を、じつは1冊も読んだことがありません。
でも、ものは考えよう。
「将来に楽しみがたくさん残っていてラッキー!」
と、しあわせアタマでいきたいと思います。

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齋藤 孝 (さいとう・たかし)

1960年静岡県生まれ。
東京大学法学部卒業。
同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。
専門は、教育学、身体論、コミュニケーション技法。
2001年に刊行した『声に出して読みたい日本語』
(草思社、毎日出版文化賞特別賞受賞)が話題を呼ぶ。
NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」の企画・監修も務める。
著書に『聞き上手話し上手』(ちくまプリマー新書)、
『子どもたちはなぜキレるのか』
『「できる人」はどこがちがうのか』
『日本を教育した人々』(以上、ちくま新書)、
『質問力』『段取り力』『コメント力』(以上、ちくま文庫)、
『恋愛力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』(以上、筑摩書房)、
『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス)、
『理想の国語教科書』(文藝春秋)などがある。
________________________________

「仙人入門 〜悠久の大地に生を求めて〜」 程聖龍・著

「仙人入門」 程聖龍
「仙人入門」 程聖龍

この、面白すぎる話の中に、
深遠すぎる思索がある。 
――南伸坊(イラストレーター)


上の推薦文と、ばばかよさんの本
この本に出会うきっかけを与えてくれました。
感謝します。

忍者犬に爆笑です。

ぼくが初めて忍者犬というものの存在を知ったのは
白土三平先生の「カムイ伝」という漫画のアニメでした。
そこに描かれる非情で残酷な世界は
「忍者犬っていうのは恐ろしい生き物なんだな」
と、おさな心に思わせるに十分なものでした。

しかし、この本を読んで、
忍者犬のイメージが180度変わってしまいました。
いや、もちろんすごい犬なんですけど。
今日もどこかの山奥で修行をしていると思うとワクワクします。

第二章からいよいよ「仙術修行篇」。
ここまでくるともはや哲学といえるのでは。

興味深いエピソードも満載の、
笑えて、考えさせられるという、お得な1冊でした。

こうして私は生まれて初めて忍者に会った。
いや、正確に言えば忍者見習いの高校生に出会ったのだった。


傍目に見れば微笑ましい光景だろうが、
じつのところ、私は動物があまり好きではない。
とくに忍者犬には散々しごかれたので、
正直言って犬はもう御免だ。


嘘ではない。犬というのは笑うものである。
無様にひっくり返った私の前で大口を開けて
「もう見ちゃいられない」と言わんばかりの表情で、
笑いながら首を振っていた。
毎度のことでこちらも慣れていたとはいえ、
これがまたじつに小憎らしい顔つきであった。


確かに組手の前に十分に型の練習をさせ、
理論もすべて解き明かしてやる現代的な訓練法から見れば、
こうした教え方は意地が悪いだけでなく、
無意味で非合理な教え方に見える。
しかし長年修行を続けた経験から自信を持って言えるが、
一見不親切なこの教授法はじつは一番親切で「早い」道なのである。


それは脳を意識の座と見る世界である。
己の身体を動かすものは頭脳だけなのだと信じ切って
何の疑問も持とうとしない。
しかし、そうではないのだ。
人は身体そのものにーーー手や足それ自体に、考える力がある。


良いものを「良い」と認識できるのはなぜか?
それは、どこかに悪いものがあるからである。
いくら良いものであっても、
単独でぽつんと存在しているのなら、良いも悪いもない。
ただそこにあるだけだ。
「良い」は「悪い」があって初めて認識が可能になる。
だから何かを良いと思ったときには気をつけなければならない。
なぜならそれは見えないどこかに「悪い」を秘めているはずだからである。


スポーツの世界で「勝ち負け」にこだわることができるのは、
それで生命を失うことがないからである。
そこにあるのは、万が一負けてしまっても
本人の努力次第でもう一度挑戦することができる幸せな世界だ
ところが、忍術にしろ内家拳にしろ「負ける」ということは
「生き延びることができない」ことを意味している。


老師の笑顔は子どもが喜んでいたせいだけではない。
今まで老師のもとに通っていて、
忍術で学んだ技を一切見せなかった私への満足もあった。


たとえば、身体中汗でぐっしょりになってサンドバッグをひたすら叩く。
これは見るからに一生懸命だが、命懸けではない。
一生懸命サンドバッグを叩くという行為は、
生死の際で自分の命を救うことに必ずしも結びついていないからである。
一生懸命になった人間が皆生き残れるのなら問題はないが、
そうでないから厄介なのだ。


「良い」と「悪い」は一方の在り方が、
そのまま他方の在り方を支えているひとつの対概念であり、
どちらか一方では存在しえないものだ。
だから「中庸」とはあっちとこっちに存在する「良い/悪い」の
中間点を探す作業ではない。
「良い/悪い」の両方が同時に存在している地平を探すこと、
それが「中庸」を見出すということなのだ。

「仙人入門」 程 聖龍 (著)
________________________________
【著者】 程聖龍 (てい・せいりゅう)

山梨県出身。
幼少より甲賀流忍術の師のもとで暮らし、
長年にわたり台湾、香港、中国本土において
中国武術・内家拳、および仙術の修行を行う。
内家拳八卦掌においては、
日本人唯一の武門四代目を継承、程聖龍の名を受ける。
東京をはじめ世界で中国武術の指導を行う第一人者。
程聖龍国術舘舘長。

___________________________

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「のんのんばあとオレ」 水木しげる・著

「のんのんばあとオレ」 水木しげる (ちくま文庫)

最近、読んだ本がたてつづけに
水木しげる先生のことを大絶賛していて、
これは「読め!」ということだな、と勝手に解釈し、
手にとってみました。

コチラコチラ

のんのんさんというのは、「神仏に使える人」という意味で、
おばあさんだから、「のんのんばあ
先生の家の近くに住んでいました

幼少年時代、この人に、浴びるように、妖怪やら
怪しげな話を聞かされながら、水木先生は成長しました。
漫画家水木しげるの「育ての親」と言ってもいいかもしれません。

タイトルは「のんのんばあとオレ」ですが、
ぼくの印象としては、むしろ

「ガキ大将にあこがれて」とか
「How to become ガキ大将」

のほうがしっくりきます。
(下に書いた目次を読んでもらえると、
 わかっていただけるかと思います)

この本で、圧巻なのが「点描画」!
これを見るためだけに、この本を買っても
十分におつりがきます。

こちらの本のレビューでも、水木先生のエピソードを
引用しましたが、あの話には続きがあります。

ゲゲゲの鬼太郎」の原稿がおくれがちな先生に
困りはてた内田編集長が自宅にうかがいます。

「細かく点を打たれても、どうせ印刷したら、ベタで
真っ黒になるのだから意味ないですよ」

これに対して、水木先生は鬼気迫る形相で
「だめだ。絶対にダメだ」と絶対にゆずりません。

そうこうしているうちに、さすがは内田編集長、
「わかりました。先生の思うとおりにお書きになってください」
ということに相なったそうです。

少年時代、となり町との抗争にあけくれる先生ですが、
その武闘派の顔とはまったくうらはらな
じつに繊細な点描画がところどころに
ちりばめられています。

その、まろやかで幻想的な世界をながめていると、
「これは本当に、昔の日本であったできごとなのか。
どこか遠い夢の国に、先生は住んでいらっしゃったのでは
ないか」とさえ思えてくるのです。


コチラは漫画版
のんのんばあとオレ (講談社漫画文庫)
のんのんばあとオレ (講談社漫画文庫)

コチラ豪華版
のんのんばあとオレ
のんのんばあとオレ

_____________________________
    
【もくじ】

  はじめに

一 妖怪たちとくらした幼年時代

   のんのんばあ

   キツネの声

   ガキ大将帝国

   チャンバラごっこ

   「ダマシ」と地蔵祭り

   軍人へのあこがれ

   初恋の人

   地獄極楽の絵の世界

   太古に通った道

   キセルなおし

   「あかなめ」さわぎ

   葬式への興味

   「ゲゲが泳いだ!」


二 たのしみが多すぎて勉強どころではなかった

   小学一年生となる

   ペッタイの話

   ゾウに鼻クソをかけられる

   ネズミ、服のなかにはいる

   クソだらけの筆箱

   捨てられたおひな様

   「むけーっ」

   「地下の都市」発見!

   多趣味でいそがしい毎日

   お盆の行事

   お稲荷さんの監視

   法田のキツネ

   ペッタイ合戦

   ガキ大将めざす攻防戦

   「ナァープン」

   村をあげての運動会

   水泳大会

   忠助との戦い

   タケヤスとの大激戦

   敵の連合軍本拠にせまる

   「相手なし」

   奇妙な先生たち

   私設映画館、動物園を作る

   まつろわぬ者ども

   のんのんばあの死


三 ガキ大将も楽じゃない

   亡国の子どもたち

   「進学はだめでしょう」

   流れてきた小舟

   兄弟ゲンカ

   毎日、罰だらけ

   野球でもケンカ

   はじめての個展を開く

   ついにガキ大将となる


四 自由な少年時代のあとで

   卒業、就職、クビ

   転職、そしてまたクビとなる

   ついにいなかへ帰る

   日本は天国ではなかった

   おわりに

「のんのんばあとオレ」 水木しげる (ちくま文庫)

(1977年初版の)著者略歴

1924年鳥取県に生まれる。漫画家。
戦時中ラバウルで左腕を失う。
戦後、魚屋、リンタク屋などを転々、
上京して紙芝居をかきつづけたのち、漫画家に転身。
作品に『鬼太郎夜話』『河童の三平』などがある。
____________________________

余談です

カゼぎみで、ほとんど1日中寝ていました。
ボーッとした頭でこの本を読んでいると
異界と通じ合えそうです・・・。



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