ダラ読みブックレビュー

速読管理人アラキシンによる読書感想文ふうダラ読みのすすめです。

本 - 編集

“これほどの努力を人は運と言う” 「見城徹 編集者 魂の戦士―別冊課外授業ようこそ先輩」 NHK制作グループ, KTC中央出版 (小林正観さん講演会、みっちゃん先生、秋田へ)

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「見城徹 編集者 魂の戦士―別冊課外授業ようこそ先輩」 NHK「課外授業ようこそ先輩」制作グループ, KTC中央出版, 中央出版
見城徹 編集者 魂の戦士―別冊課外授業ようこそ先輩」 NHK「課外授業ようこそ先輩」制作グループ, KTC中央出版, 中央出版

心が運動すると、風が起こる。
熱が出る。光が発生する。
人はそれに引き寄せられる。
それが君の魅力だ。君の存在感だ。
運動しない心は何も生み出さない。
運動する心と心がぶつかり合った時、傷口が拡がる。
返り血を浴びる。涙も出てくる。
でも、そこからが本当の関係なんだ。
そこからがすべての始まりなんだ。
君たちの心は運動したか?
運動したら、わかるはずだ。
やればできる。編集とは感動だ。(裏表紙より)

--------------------------
見城さんは、学生時代から五木(寛之)さんの作品を
暗唱するほどによく読んでいた。
それで決意する。
今後、五木さんが発表するどんな小さなコラムでも
小説でもエッセーでも対談でも、
必ず読んでその全部に手紙を書くこと。


とうとう18通めくらいになったとき、五木氏から返事が来ます。
これが、のちの「大河の一滴」という大ベストセラーの誕生に
つながっていきます。

NHK 「課外授業 ようこそ先輩」
(2001.2.18放送)
2日間にわたる授業のテーマは
「感動を編集しよう」です。

1日目は、いくつかの作文の朗読と
それに対する見城氏の感想、
明日に向けてのアドバイスで終わりました。

ただ、この人はとっても切ない人なんだと思う。

1日目の授業が終わったあとのインタビューの中の一言です。
小学6年生に対しての感想とは思えません。
一人の人間として、敬意を表しつつ、
真剣に対峙しているからこそ、
こういう感慨を持つことができるのでしょう。

文法的に合っていようといまいと、そんなのはいいんですよ。
原稿を書く約束ごとを守っている守っていないなんて、
そんなことはどうでもいいんですよ。

それよりも自分にしか描けない世界が描かれているか。
それがいきいきと伝わってくるかということです。


優等生的な言い回し、紋切り型の文章には
ことごとくダメ出ししていきます。

だけど、そこを書いてもらわないと
いいものはできないんですよね。
相手の持っているあんまり見せたくない部分、
ぼくらの言い方で言えば、アザとかカサブタとか膿とか。

そういうカサブタを引き剥がして、
そこに塩を塗り込んだりする。
「ここを書かなきゃいけないんじゃないの。
ここを書かないで通り過ぎていくことはできないんじゃないの」



今までになかった世界を探してなんぼの世界なんですよ。
たとえ文章が下手でもいいんです。
そこに新しい世界があって、
それを自分たちが新しい作品に仕向けていけるか。


授業2日目。見城氏、本気の関係を結びにいきます。
では、ここで見城氏のダメ出し乱れ打ちを
ご堪能ください。

「まずダメだね」
「だれか言わなくちゃダメだよ」
「もうおしまいじゃない」
「ぜんぜん、詩になってないよ」
「平凡だね」
「当たり前のことだよね」
「ダメだね。君の言葉になってない」
「説明しちゃダメだよね」
「もうおしまいじゃない(2回目)」
「言わないとダメだし」
「ダメだよね」
「ボツにするしかないな」


・・・タイピングしているだけで滅入ってきました。
が、しかし見城氏はもちろんこの時点までに
自分のカサブタを自分で剥がして、
塩を塗りおわっているんですね。

そのかいあって、
子どもたちの中にあったヒエラルキーが
壊れはじめてゆきます。
ついに「本気の関係」を結びにいくのです。

そして文集完成。
そのタイトルも、テレビ用に
あらかじめ用意してあったものはやめて
“子どもたちの意志”で 
「やればできる」 に決定しました。


―売れる本といい本は違いますか?

「売れる本」と「いい本」は、違うときがあると思います。
ぼくは、売れる本はいい本だと思います。
どんなものでも人の心に染み込むから、たくさん売れるんだ。

「こんなもの、いい本じゃないんじゃないか」と
世の知識人とか常識人が思ったとしても、それは間違いで、
その人たちは新しい価値観に対して無自覚なだけなんです。


“これほどの努力を人は運と言う”

それは、本当に一生懸命みんな努力したのね。
それで、海のものとも山のものともわからない新しい出版社に、
角川書店という大きな出版社を捨てて、
部下たちはぼくについてきてくれた。

それで、6冊のミリオンセラーができているわけだよね。
みんなは「運がよかったんだ」って言うけれど、
この7年、本当に血の滲むような努力をしてここまで来たの。

ここまで努力して、それでも人は
「運だ」って言うのかって思うことがあるけれども、
いっしょについてきた6人にはものすごく感謝してるな。




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「奇」の発想―みんな『少年マガジン』が教えてくれた 内田勝・著

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「奇」の発想―みんな『少年マガジン』が教えてくれた

「奇」の発想―みんな『少年マガジン』が教えてくれた


内田 勝 (著)


今だからこそ語れることがある・・・

黎明期ならではの,驚くようなエピソードが満載です。

巻頭には、数ページにわたって
“あの”力石徹告別式の模様が
モノクロ写真で載っています。
演出の寺山修司氏、原作の梶原一騎氏、
マンガ家のちばてつや氏の顔も見えます。

「あしたのジョー」で、ジョーのライバル、
力石が死んだとき、マガジン編集部あてに、
全国のファンから弔電や香典が、文字通り
山のように送られてきて、それならということで、
このイベントが行われるに至った。
・・・なんてことは言うまでもないですね。

「少年サンデー」に追いつき追い越せと、
必死の努力をし、ついに発行部数が逆転。
しかしその後「少年ジャンプ」が台頭、
再逆転をはたすまで実に20年という歳月を要した・・・。

小学生の頃、発売日には、はるばる駅の売店まで
自転車をこいで買いに行ったものでした。
地元の雑貨屋さんより、半日ほど速く入荷するので。

そんなことしたって、どのみち田舎だから
東京にくらべて、まる1日2日遅いわけですよ。
都会の子がうらやましかったな〜。


“富士山に一度も登らぬバカ、二度登るバカ”というが、
このフレーズを雑誌編集者に置き換えるならば、
“創刊を一度もやらぬバカ、二度やるバカ”となるだろう。



そして、腕を失っているため、
[註 : 水木しげる氏は太平洋戦争時、
南方戦線において爆撃を受け、左腕を失われた]
体を極限にまでねじって左肩で机の上の画稿を固定し、
そのため両眼と画稿の間隔はほとんど数センチしかない。
それで背景となる夜の墓場のシーンを、
右手に持ったGペンでコツコツコツと何百回、
何千回も動かしながら描いている・・・。
あの細密な点描画は、こうした気の遠くなるような作業の中から生まれてくるのだ。



ストライクとボール、アウトとセーフの違いから、
グローブとミットの区別もつかなかった川崎さんが、
野球マンガの不朽の名作を描き上げることになったのだから、
既成概念とか常識とかいうものがいかに当てにならないものであるかが判る。

[註 : 川崎のぼる氏 = 『巨人の星』のマンガ家]



それにしても、昭和34年から『マガジン』の場合は7年間、
『週刊現代』の場合は8年間かかって黒字雑誌になったわけで、
この間の野間省一社長辛抱たるや並々ならぬものがあったと想像される。



真実は、他人の中や本の中にではなく、
自分自身の“頭の霧箱”(梅棹忠夫さんの言葉)
の中にあるのだ。



ーーー関連書籍 : 備忘録ーーー

「風土―人間学的考察」 和辻哲郎
「風土―人間学的考察」 和辻哲郎


「蟹工船 一九二八・三・一五」 小林多喜二
「蟹工船 一九二八・三・一五」 小林多喜二


「日本(ジャパニーズ)ヒーローは世界を制す」 大下英治


「天皇ごっこ」 見沢知廉
「天皇ごっこ」 見沢知廉


「月の魔力」 アーノルド・L・リーバー
「月の魔力」 アーノルド・L・リーバー


「科学の終焉(おわり)」 ジョン・ホーガン
「科学の終焉(おわり)」 ジョン・ホーガン


「進化論の挑戦」 佐倉統
「進化論の挑戦」 佐倉統

_________________________________________

著者紹介

内田勝 うちだ・まさる

1935年北海道生まれ。
東京教育大学卒業後、
『週刊少年マガジン』創刊の59年に講談社入社。
30歳で同誌の編集長となり、
「巨人の星」「あしたのジョー」「ゲゲゲの鬼太郎」「天才バカボン」
など数々の名作を手がける。

_________________________________________

目次

第1章 “白い風魔”ブリザードと黒い海

第2章 もっこ担ぎから始まった六三三制

第3章 マッチ棒一本で決まった人生航路

第4章 日本初!週刊マンガ両誌の誕生

第5章 マンガの王者「アトム」に挑戦!

第6章 受験地獄世代を癒した0点主人公

第7章 少年誌と玩具とのドッキング作戦

第8章 衝撃の「W3」「8マン」事件顛末

第9章 「のらくろ」に秘められた“真実”

第10章 編集長新任の一週間で考えたこと

第11章 劇画ーーーアングラからメジャーへ

第12章 “読者からの発想”と梶原三部作

第13章 “天上に輝く星”を目指した道程(みちのり)

第14章 マンガは主食であり、文化である

第15章 靴底話から生まれた不朽の大名作

第16章 “一枚の絵は一万字に勝る”宣言

第17章 「ぼくは四十歳までに死ぬ男だ」

第18章 “力石徹の告別式”を実況生中継

第19章 百五十万部の金字塔と豊川稲荷様

第20章 臨死体験?と「アシュラ」大騒動

第21章 変身スーパー・ヒーローが総登場

第22章 新聞と雑誌、テレビと映画の谷間

第23章 もう一人の自分が眠りこけている

第24章 オイル・ショックでMOOK草案

第25章 新所沢・梁山泊に集った奇才たち

第26章 “ぼくたちジャーナリズム”の発想

第27章 “昆虫化”世代のライフ・スタイル

第28章 国産グラビア紙の開発と流通革命

第29章 “ポルノ、載せる、載せない”論争

第30章 ハブが教えてくれた石津謙介起用

第31章 あとから行く者はかならず勝つ!

第32章 文化の本質は寄生木(やどりぎ)にあらずや

第33章 二一世紀を望見する“地球文明誌”

第34章 奇を猟せず奇に偏せず奇を好む心

第35章 “太陽”の文明と“月”の文明の統合

第36章 メディアと教育ーーー明日への提言



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